「志望校に全部落ちたらどうなるの?」タイの受験制度の疑問

「志望校に全部落ちたらどうなるんだろう?」
子供の受験は初めて、しかも異国の地タイということもあり、心配だらけでした。

しかし、中学受験が終わった今なら分かることもたくさんあります。
そこで、受験前に抱いていた疑問について分かることを記しておきます。

志望校に全部落ちたらどうなりますか?

タイにおける国立中学受験では、特別クラスの前期試験と普通科の後期試験に分かれます。
つまり、2回のチャンスがあるということです。
詳しくは、以前の記事「タイ(バンコク)の国公立中学・高校受験制度を詳しく解説」で書いています。

では、志望校の2回の試験に全部落ちてしまったらどうなるのでしょうか?
どこの中学校にも入れなかったり、中学受験から浪人したりするのでしょうか?

結論から言うと心配する必要はありません。
受験した学校や国の機関が、まだ定員に達しておらず、入学可能な中学校を紹介してくれます

少子化の傾向もあり、入学可能な公立中学校は必ず見つかります。
ただし、学力の平均が希望よりも低かったり、学校の場所が家から遠かったりする可能性はあります。

国立中学受験で何から準備していいか分かりません

成績上位の人気校では、本番の試験の前に「プリテスト」と呼ばれる模擬試験が開催されます
プリテストは、多くの学校で小学4・5年生も受験できます。

プリテストでは、おそらく試験の難易度の高さに圧倒されます。
そこで、志望校の受験実績を掲げている塾に入りましょう。

タイの国立中学試験は先取り学習が物を言います。
塾で先取り学習することで、合格確率は大きく上がるはずです。

中学受験では、どのような試験が実施されますか?

タイの国立中学受験は、基本的に筆記のみの試験です。
音楽科や美術科など一部の特別クラスでは、実技試験も実施されます。

タイの難関中学校は、筆記試験の難易度がとても高いです。
中学・高校の学習範囲が平気で出題されます。
よって合格ラインは、得点率40~50%になることもあります。

人気校の過去問は「Chula Book Center」で入手できます
詳しくは、過去記事の「タイの中学受験に必要な参考書・過去問の入手法」をご覧ください。

タイの受験は平等に行われますか?

日本と比較して、圧倒的に「いいえ」です。

国立中学受験の場合、区分が「学区内」「学区外」「公務員枠」に分かれています。
「公務員枠」はよほどのことがない限り合格できます。
そして、「学区内」「学区外」は競争率と難易度に大きな差があります

「学区内」「学区外」はタビアンバーンで判断されるため、多くの生徒は「学区外」となります。
詳しくは、過去記事の「お金持ちが有利なタイの中学受験制度について調べてみた」をご覧ください。

タイの受験制度に関して優れていると感じた点について

タイの受験制度に関して、優れていると感じた点が3つあります。

1つ目は、WEB出願が普及している点です。
バンコクの中学校に関しては、ほとんどインターネットで出願します
修正がある場合も、ネット上で完結します。
願書を取り寄せたり、郵送したりする必要がないため、楽です。

2つ目は、受験結果が詳細に見れる点です。
自分だけでなく、全合格者の名前・順位・科目別得点が閲覧できます
不正が難しく、クリーンな点に好感が持てます。

3つ目は、国が主体となって頭が良い子供を見つけ出そうと努力している点です。
タイ全土で「O-NET」と呼ばれる学力テストが行われ、多くの生徒が参加します。
受験制度は平等ではありませんが、勉強ができる子供には確実に道が開かれています
難関校にも、所得が少ない家庭のための奨学生枠が設けられています。

「頭が良い」もよし、「お金がある」もよし、「コネがある」もよし、「特技がある」もよし。
柔軟な点にタイらしさを感じます。