日本の高校の範囲を出題?タイの中学入試問題が難しすぎる!

前回はタイの中学受験制度について解説しました。

お金持ちが有利なタイの中学受験制度について調べてみた

次に気になるのは、タイの中学受験ではどのような内容の問題が出題されるのかという点です。

そこで、タイの中学受験のテスト問題を見ていたのですが、その内容に驚きました。
今回は、タイで行われる中学受験の問題内容を見ていきたいと思います。

難しすぎるタイのO-NET試験

タイでは、全国の生徒を対象に「O-NET」と呼ばれる試験が行われます。
試験は小学6年生・中学3年生・高校3年生の卒業前に実施され、その結果は入試の合否に影響します。
日本で言うセンター試験のようなイメージだと思います。

2020年度のO-NET試験の結果(Thai PBS NEWS)

小学6年生で行われる試験の平均点は、以下の通りです。(100点満点)
・国語 56.2点
・英語 43.55点
・算数 29.99点
・理科 38.78点

O-NETの試験は4択を主とするマークシート形式で行われます。
そして、算数の平均点が約3割です。
多くの生徒が算数の問題の大部分に対応できていないことが分かります。

ちなみに、同じマークシート形式である日本のセンター試験の平均点の推移はこちら。

受験者数・平均点の推移(本試験)平成30年度~令和2年度センター試験(大学入試センター)

同じ数学で比較すると、平均点が5~6割程度で推移しています。
日本と比較してみても、タイの試験の難易度の高さが分かると思います。

実際の算数の問題を見てみよう

では、自分が購入した中学受験の参考書に載っている算数の問題を見てみます。

最初に登場する問題が自然数の和を答える問題。
最初にしては難しくないですか?
「自然数の和の公式」を知っていると楽に解けます。

同じ数列の分野で、等差数列の一般項の式が出てきました。
日本では高校2年生で勉強する内容です。

同じ流れで「等差数列の和の公式」も登場。
まあ覚えるだけと言えば覚えるだけです。

これは日本でもおなじみのつるかめ算。
連立方程式を解けると楽ですね。

組み合わせを意味するCを使った式が登場。
階乗を意味する「!」は、知っていることを前提として話が進んでいます。
日本では高校1年生で勉強します。

三平方の定理は知っていないと解けないでしょう。
日本では中学3年生で勉強します。

指数は、タイも日本と同じく中学校で勉強します。
ですが、タイの中学受験では当たり前のように登場します。
上記の問題は指数法則を覚えていると楽に解けます。

タイの入試問題が日本の入試問題より難しいわけではない

日本の難関中学校の問題を見ていると、大人でも解けそうにない問題が出てきます。
ただ、タイの中学入試問題は大人にとっては簡単に見えます。
タイの入試問題が日本の入試問題より難しいわけではなさそうです。

タイの中学入試問題は、知識を「知っているか知らないか」が重要です。
問題の解き方を知っていれば、簡単に解けます。

タイと日本の小学校で習う算数の範囲はほとんど変わりません。
つまり、タイの中学受験においては先取り学習の重要性が増します。
塾や家庭教師で勉強できる生徒が、より有利な環境です。

学校で勉強する内容では中学受験に対応できない

一部の名門小学校を除くと、学校で勉強する内容では中学受験に対応できません。
自分の娘が通う小学校も同様です。

だけど、せめて日本語で教えられる算数だけでも、中学受験に対応できる学力を身につけさせてあげたい!
そこで、次回はタイの中学受験に即した算数の勉強法について解説します。